スギの花粉の成育には前年度の夏(特に6月下旬から8月中旬)の気象条件が大きく影響します。

一般に気温が高く、雨が少なく、日照時間が長い夏は花芽が多く形成され、翌年の花粉の飛散は多くなります。

滋賀県では2023年6月下旬の気象状況は降水量が少なく気温が高い状態でした。

7月は猛暑で雨が非常に少なく日照時間も長い気象条件でしたが

8月になると降水量も増え日照時間も平年並みとなりました。

年次別6月下旬の気象
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
2021
2022
2023
平均気温(℃)
(平年値23.4℃)
23.4
22.7
22.8
23.3
25.2
24.1
24.6
22.9
27.4
24.1

降水量(mm)
(平年値98.1mm)

30.5
86.5
193.5
148.5
41.0
75.5
45.0
32.5
70.0
78.0
日照時間(時間)
(平年値35.0時間)
31.7
39.7
45.5
26.3
35.8
58.4
44.7
50.7
43.8
21.4
年次別7月の気象
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
2021
2022
2023
平均気温(℃)
(平年値26.2℃)
26.5
26.1
26.6
27.4
28.5
25.2
24.7
26.8
27.1
28.1

降水量(mm)
(平年値211.8mm)

115.5
286.0
109.0
158.5
308.5
244.5
389.5
218.0
336.0
78.0
日照時間(時間)
(平年値159.3時間)
170.2
137.9
185.9
144.2
251.6
90.4
65.8
159.9
167.5
220.0
年次別8月の気象
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
2021
2022
2023
平均気温(℃)
(平年値27.3℃)
26.6
27.1
28.1
27.6
28.5
28.1
29.4
26.7
27.9
29.0

降水量(mm)
(平年値159.5mm)

426.5
239.0
109.0
153.5
93.5
290.5
35.5
395.0
228.0
176.0
日照時間(時間)
(平年値202.9時間)
112.5
181.7
240.1
168.3
227.4
197.0
260.2
126.8
164.8
199.1
赤色の数字は、気温・日照時間は平年値を上回った年、降水量では平年値を下回った年を示す。
(気象庁ホームページより引用)
 

また、ヒノキ花粉は6月上旬の日照時間に影響されます。

2023年6月上旬は日照時間が短い気象条件でした。

年次別6月上旬の気象
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
2021
2022
2023
平均気温(℃)
(平年値20.9℃)
23.3
20
20.5
19.9
21.4
21.8
23.9
22.2
20.4
20.7

降水量(mm)
(平年値40.3mm)

12
123
30.5
54.5
90
58.5
0
44.5
50.5
145.0
日照時間(時間)
(平年値60.2時間)
50.8
47
73.5
86
66
53.3
75.1
73.9
78.5
38.4
赤色の数字は、平年値より日照時間が長い年を示す。
(気象庁ホームページより引用)
 


昨年の花粉飛散量はスギ、ヒノキとも大量飛散のシーズンとなりました

(滋賀医科大学耳鼻咽喉科のスギ・ヒノキ花粉飛散総数データよりグラフ生成)
 


大量飛散の翌年は花粉の飛散が減少する傾向があります。

これらの状況から2024年のスギ・ヒノキの花粉飛散は例年よりやや多く

昨年より少ない飛散量になることが予想されます。

 

 

 

 

スギ花粉の飛散開始は年明けからの最高気温の積算値が400℃を超えたころに始まるとされています。

1月下旬までの気温は非常に高い状態でした。

気象庁の予報によりますと、この先の気温は平年より高めの気温になることが予想されています。


気象庁 滋賀県大津市のデータを引用し生成    

 

これらの状況から花粉の飛散開始は、例年よりやや早めの2月の中旬ごろと予想されます。

 

 

本格的なスギ花粉の飛散が始まる前から薬を服用すると、シーズン全体を通して花粉症の症状が軽くなります。

この治療方法を初期療法といいます。

花粉症の症状が毎年現れる人では次のような効果が期待できます。

   ◆ 鼻の粘膜が過敏になることが抑えられる

   ◆ くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が出る時期を遅らせる

   ◆ 症状全体が軽くなる

   ◆ 症状が終了する時期が早くなる

 

 

初期療法に使用する薬は複数あり、症状の程度や状態によって薬の開始時期や

種類が異なってきます。

自分にあった薬を適切に使用するために、花粉が飛散する時期までに

専門の医師にご相談下さい。

     
なかにし耳鼻咽喉科
日本耳鼻咽喉科学会認定  耳鼻咽喉科専門医  院長  中西豊
滋賀県野洲市小篠原 1033-1 (アルプラザ野洲店前)  TEL 077-586-3341
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